タリウム事件 母親殺人未遂 画像


劇物タリウムを母親(47)に摂取させて意識不明の重体にしたとして、殺人未遂容疑で逮捕された静岡県伊豆の国市の女子高生(16)が、母親が入院中にもタリウムを投与していたことが3日、明らかになった。静岡県警の調べによると、女子高生は日記に「コップを洗う」と病室を出てタリウム水溶液をコップに付着させたと書いていた。このコップに茶などをついで、母親にのませていたとみられる。

 少女が母親に対して行った“劇物実験”は、母親が入院してからも継続されていた。静岡県警は、少女が自宅のパソコンに残していた日記を押収。その中に、母親が入院した10月2日以降にも、タリウムを投与していた内容を見つけたという。

 日記には、少女が病院に母親を見舞いに行った際に、病室にいる家族や親せきに「コップを洗ってくる」と言い残して、病室からコップを持ち出し、粉末状のタリウムを水溶液にしてコップの内側に垂らして付着させた、などと書かれていたという。このコップを再び病室に持ち帰り、茶などをついで母親にタリウムを投与していたものとみられる。母親のことを「アトム」、タリウムは「エダ」などと、仮に読まれても分からないように符丁も使っていた。

 このほかパソコンには、髪の毛が抜けるなどの症状が現れた病室での母親や、心電図を撮影した写真も保存されていた。

 少女は日記とは別にインターネットでブログを公開していたが、母親が入院後の10月4日には「血圧は150前後にまで落ちたが、まだまだだ」と、タリウム投与を継続していることを連想させる記述もあった。

 家族は母親が原因不明で倒れたことが、少女の仕業なのではないかと怪しんでおり、入院後に県警に相談していた。入院3日目には少女には知らせずに家族が病室を替えたという。県警では、コップへのタリウム付着も含め、家族に怪しまれないように巧みに偽装工作をしていたとみている。  続きを読む