耐震強度偽造問題 小嶋進社長 キャプチャー画像


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「1年前に偽造隠ぺい」
イーホームズ社長、外部情報で知る
衆院参考人質疑
 耐震強度偽造問題を審議する衆院国土交通委員会が二十九日開かれ、参考人として出席した国指定の確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)の藤田東吾社長は「約一年前に別の検査機関で、姉歯秀次一級建築士関連の計算書偽造が発覚したが、隠ぺいされた」との外部からの情報提供を受け、内部監査に着手して偽造を発見した経緯を明らかにした。

 藤田社長によると、情報は過去に同社への申請実績のある構造設計事務所から寄せられた。業界最大手の指定確認検査機関「日本ERI」(東京都港区)が、姉歯建築士の偽造を約一年前に認識したが、内部で隠ぺいされたとし、「イーホームズも気をつけた方がいい」という忠告だったという。

 十月二十日、姉歯建築士のかかわった申請物件のなかから抽出して内部監査した結果、ヒューザーが建築主の東京都足立区の未着工マンションで偽造が分かった。日本ERIは会見で「隠ぺいの事実はない」と否定した。

 偽造発覚から六日後の同月二十六日、藤田社長は、国土交通省の建築指導係長に「構造図書偽造という問題が起こった」と電子メールで相談したが「そちらで解決してほしい」と、国は関与しない旨の返事を受け取ったとしている。

 また、二十七日にヒューザー本社に関係者が集まり、藤田社長が事実の公表を主張したが、ヒューザー小嶋進社長から「徹底的にたたく」と圧力を受けたと述べた。

 姉歯建築士国交省聴聞に対し「取引先から鉄筋量を減らすよう指示された」と述べていたが、「木村建設」(熊本県八代市)の篠塚明元東京支店長は「そのようなことは言ったかもしれないが、法令順守の範囲内でという認識だった」とした。

 ヒューザーの小嶋社長は、姉歯建築士関連のマンションで、調査中のものが十二件あることを明かした。同社の内部留保は三十億円と説明し「これから(耐震強度に問題があるものが)十数棟出てくるかもしれない」と、今後の展開によっては買い戻し資金が不足する恐れがあることを認めた。

 姉歯建築士は「外に出るのがこわい」と体調不良を理由に欠席した。  続きを読む