GUNDAM─来たるべき未来のために 上野の森美術館 キャプチャー画像

GUNDAM─来たるべき未来のために 上野の森美術館 キャプチャー画像

ガンダム・アート、上野に立つ
企画展が開幕、原寸大コアファイターセイラ・マス巨大彫刻など展示

放送から四半世紀経った今も根強い人気を誇るアニメ「機動戦士ガンダム」にちなんだアート作品を紹介する企画展「GUNDAM─来たるべき未来のために」(産経新聞社、ガンダム展製作委員会など主催)が6日、東京都台東区上野の森美術館で開幕した。出品しているのは1960年代から70年代前半生まれの“ガンダム世代”の若手アーティスト。気鋭の15組23人による造形作品や絵画、写真、書作品などが強烈な個性を放っている。12月25日まで。

 機動戦士ガンダムファーストガンダム)は1979年が初回放送。リアルロボット・アニメの先駆けとされ、それまでの勧善懲悪的なロボットアニメと異なり、登場するのは量産型ロボット(モビルスーツ)で、ひょんなことから戦争に巻き込まれたナイーブな主人公の少年(アムロ・レイ)の成長と葛藤を軸に、戦争の現実や矛盾を描き出した。何度も再放送され、「ガンプラ・ブーム」やゲーム人気のほか、「Z(ゼータ)ガンダム」、「ガンダムSEED」など多くの続編、シリーズ作が誕生し、アニメ界のみならず文化面にも影響を与えた。

 今回の展示は、今夏に大阪で開かれた企画展が好評だったことを受けて開催。作品は、「戦争」「進化」「生命」の3つの視点からガンダムのメッセージを見つめ直して表現した。キュレーターは東谷隆司さんが務めた。

 会場で、まず目を引くのが、最終話でアムロ戦場からの脱出に使った「コアファイター」を1分の1スケールで再現した作品(生西康典、掛川康典、永戸鉄也さんら6人合作)。宇宙を表現した映像、音楽と一体となってガンダム世界への邂逅(かいこう)を誘う。また、劇中の人気女性キャラクターの巨大彫刻作品「crash セイラ・マス」(西尾康之さん作)や、爆煙の中、無数のモビルスーツ(ザク)の残骸の上で戦闘するザクを描いた「ザク(戦争画RETURNS 番外編)」(会田誠さん作)などが並ぶ。

 「セイラ〜」は全長6メートル、高さ2.8メートルの石膏作品。作者の西尾さんは、今にも殴りかかりそうな作品の形相について「人殺しの連続である戦争で戦うこと、ヒロイズムを強要する理不尽な大人の象徴として表現した」と語った。

 そのほか、言葉を交わさずに人と交流することができる“ニュータイプ”を科学的に研究する、アーティストの八谷和彦さんとNTTコミュニケーション科学基礎研究所の前田太郎さんらの研究成果や、ニュータイプパイロットの額に走る「稲妻」を表現した造形作品、モビルスーツジオング」の頭部を模した筆などが展示されている。

 また、ガンダム原作者の富野由悠季監督のザクとガンダムで構成された造形作品「From First」も特別出品されている。

限定ガンプラ、大人に人気 上野でガンダム

 昭和五十四年の初放送以来、世代を超えて人気のアニメ「機動戦士ガンダム」。その登場キャラクターをかたどった“ガンプラ”と呼ばれるプラモデルが熱い視線を集め続けている。「ガンダム」をテーマに、上野の森美術館(東京都台東区)で開催中の現代美術展「GUNDAM 来たるべき未来のために」でも、限定販売のガンプラを求めて二、三十代の大人たちが連日殺到する現象が起きている。

 ガンプラ現象の特徴は当時熱中した子供たちが大人になっても買い続ける点。これまでに五百種類以上、三億個以上が売られ、珍しいガンプラはオークションなどで数十万円の値がつくこともあるという。


 今回、会場では透明タイプのガンプラを限定発売。平日でも開館前に数十人が列を作る人気ぶりだ。十日、会場で買った川崎