小6女児殺害事件 キャプチャー画像


萩野容疑者 逮捕歴、家庭内暴力

小6女児殺害事件が起きた塾の壁に張られていた萩野容疑者の紹介文
Photo By 共同


 「人生は1回ポッキリ!愛のある一瞬一瞬を精一杯ともに頑張りましょう」。逮捕された萩野容疑者が、塾の講師紹介に寄せたコメント。添付された写真は白い歯を見せ、笑顔でピースサインをしている。塾関係者は「明るく指導熱心だった。評判も良かったのに、なぜ」と口をそろえた。

 中学時代、学年トップクラスの成績で、同志社香里高へ進学。学内推薦で01年4月に同志社大学法学部に入学した。1年生の時から「京進」とは別の京都府内の学習塾でアルバイト講師を始め、大学の学部のゼミでは犯罪学を専攻していた。

 しかし03年6月、大学内の図書館で女子学生が椅子の上に置いていたかばんの中から財布を盗み、取り押さえようとした警備員にケガを負わせたとして強盗致傷容疑で京都府警が逮捕。1年半の停学処分になり、アルバイトをしていた塾も解雇された。

 停学から1カ月後の同年11月に現在の京進宇治神明校のアルバイト講師に。今年は中学生の英語と小学生の国語を担当。京進は履歴書を提出させ、学力試験と面接を実施したが、逮捕歴など詳しい身上や経歴は把握していなかった。塾生からは「親身に指導してくれる」「教え方がうまく成績が上がった」などと、人気があったが「急にカッとなることもあった」という生徒もいた。

 宇治市内に住む萩野容疑者はひとり息子。近所の男性は「小学生時代は親が厳しく、おやつや小遣いをもらえなかった。中学時代はいじめられていたらしい」と話した。別の女性は「数年前から家からけんかする声が頻繁に聞こえた。母親が救急車で運ばれたこともあった」とし、家庭内で家族に暴力を振るうこともあったという。

 ≪同志社大「痛恨の極み」≫萩野容疑者が通う京都市上京区同志社大では10日午後、八田英二学長らが記者会見し「痛恨の極み。深くおわび申し上げます」と頭を下げた。「同志社130年の歴史で過去に例のない事件。大変重く受け止めている」と苦渋の表情を浮かべた八田学長。「日々教育に専心してきたが、至らない部分があった。足元を見つめ直したい」と語った。

 03年の事件で停学処分を受けていた萩野容疑者。今年4月の復学前には、所属する法学部の教授2人が本人と父親に会って話を聞いたが、勉強への意欲もあり、特に変わった様子はなかったという。「停学中のケアをもっと手厚くすべきだったのでは」との質問に、法学部の佐藤鉄男法学部長は「個人的にはそう思います」と声を落とした。  続きを読む