公務員 特殊勤務手当の実態 キャプチャー画像


横浜市が特殊勤務手当を原則廃止 10億円の人件費削減
2005年11月30日20時36分

 横浜市は30日、来年4月から職員への特殊勤務手当を原則全廃すると発表した。手当廃止により、06年度は約10億5000万円の人件費削減効果があるという。同市は「政令指定市では初めてで、全国の自治体でも例がないようだ」としている。

 廃止されるのは、水道、交通、病院経営の3企業局を除く職員約2万3000人のうち、約1万2000人に支給されている変則勤務手当や放射線取り扱い手当、食肉市場手当など20の手当。ヘリコプター業務手当など3手当は「有資格者の確保が難しくなる」などの理由から暫定的に残す。

 同市の特殊勤務手当は03年度は55種類、予算額は30億9000万円だった。市は徐々に削減を進め、05年度は23種類、13億6000万円まで減った。3手当が暫定的に残る06年度の予算額は、5800万円になる見通し。ほかに経過措置として3手当(06年度2億5000万円)が支給されるが、2011年度までに全廃される。

 廃止について中田宏市長は記者会見で「業務実態を見直した結果、職員として採用された段階からそれ自体が『本業』であって、果たしてこれが『特殊』かな、というものが大半だった」と説明した。

 特殊勤務手当は地方公務員法に基づき、危険や不快が伴う業務などに自治体が条例を定めて支給している。だが趣旨から外れて本来の業務内でも支給されているとして総務省が3月に点検や見直しを打ち出した。乱用が明らかになった大阪市をはじめ全国の自治体で見直しが進んでいる。

 宝塚市は十四日までに、厚遇と批判されている職員の特殊勤務手当全十九種類を、廃止を含めた見直し対象とすることを決めた。既に職員組合に提示しており、二〇〇六年度実施を目指す。

 特に、調理師として採用した職員への給食業務手当などの本来業務に対する手当や、年末年始手当など他と重複している手当を見直す。〇四年度の特勤手当支給総額は八千八百万円。

 ほかに通勤手当も国家公務員と同等の基準に変更。自動車やバイクなど通勤手段にかかわらず一律とし現在の支給額を減らす。マイカー通勤者に、最大月額一万二千五百円を支給していた駐車場代補助は廃止する。通勤手当の〇四年度支給額は約二億九千万円だったが、見直しによって半額程度に減る見通し。

 市は十二月市会に通勤手当、来年三月市会に特勤手当のそれぞれ条例改正案を提出する予定