京都府宇治市 小6女児殺害事件 萩野裕 キャプチャー画像


萩野容疑者、窃盗後は仕事熱心に 塾で再起図る?
2005年12月14日

 京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明(しんめい)校」で、小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(12)が刺殺された事件で、同塾アルバイト講師の同志社大4年、萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)は、以前に勤務していた塾に比べ、京進での指導ぶりの評価が高かったことが、わかった。03年6月に同大図書館で起こした窃盗・傷害事件を境にしており、京都府警は萩野容疑者が京進で再起を図ろうとしたのではないかとみている。府警は刺殺事件に至った動機を解明するため、過去の事件の記録を調べる。

 府内の別の大手学習塾によると、萩野容疑者は同大入学直後の01年4月、アルバイト講師を始めた。小中学生の国語を受け持っていた。

 萩野容疑者はいつも授業の30分前までに出勤、「授業の準備を徹底してきちっと計画しないと落ち着かないタイプ」(塾職員)だった。カリキュラムに沿って淡々と教え、可もなく不可もなくで強い印象は残さなかった。塾からは受験生を受け持たせられるだけの実力はない、と評価されていたという。

 萩野容疑者は03年6月25日、夜の授業を無断欠勤。同大に通う講師から「逮捕された」という報告があり、女子学生の財布を奪って警備員を殴ったとして現行犯逮捕されたことがわかった。数日後に解雇を伝えた。

 萩野容疑者は同年11月から京進宇治神明校で働き始めた。女児刺殺事件時には、同塾に9人いるアルバイト講師のなかで最古参だった。同事件後の会見で京進幹部は「熱心な講師だった。6年生のクラスでも受験に向けて一生懸命に助言していたようだ」と評した。

 府警は京進で再起を図ろうとした萩野容疑者が、女児との関係悪化がその妨げになると思い込み、犯行に及んだ可能性もあるとみて調べている。

 京進は10日付で、萩野容疑者との契約を打ち切った。
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